ひとたび火事が起こると、無事消火活動が終わった後に消防署は火災の原因や被害について調査を行います。 その際、り災申告書はり災された物件（不動産、動産、林野、車両、船舶、航空機、その他）の損害額の目安にするために申告者が消防署に提出するものです（申告者は所有者でなくてもOKです）。 消防署はり災申告書が提出されないと、り災証明を発行できないので火災保険などの請求が出来ない、などの問題が起こります。
以下は神奈川県座間市の消防署へ提出する不動産り災申告書です。速やかに（罹災した日から７日以内）提出してください。 なお、2部作成してお持ちください。
大変細かい内容ですが、ポイントを解説しながら次に書き方をご説明していきます。
①提出する日付を書きます。 その下の赤枠内は消防署にて記入しますので、何も書かないでください。
②申告者が自著にて住所などを記入し、押印します。
③り災物件と申告者の関係に〇をします。
④物件の所在地を記入します。
⑤物件の種別に〇をします。
⑥⑦物件の居住者、管理者が別にいるときは、ここに記入します。
⑧物件の用途を専用住宅、共同住宅、店舗、工場のように記入します。
⑨物件の構造について、屋根、外壁について記入します。 詳しくは建築許可証などをご参照ください。
⑩物件の階数、延べ面積、居住用の場合は居住する世帯数と人数を記入します。
⑪新築にて建築した場合、その年月について推定か記録によるものか、記憶かに〇をします。
⑫ ⑪に基づいて、その年月を記入します。
⑬中古で購入した場合、その年月について推定か記録によるものか、記憶かに〇をします。
⑭ ⑬に基づいて、その年月を記入します。
⑮建築または購入した金額について、⑪のように〇をします。
⑯ ⑮に基づいて１㎡あたりの金額および総金額を記入します。
⑰この物件について加入する火災保険について、加入するもの全ての会社名、契約年月、保険金額を記入します。
⑱罹災した場所または修理に係る費用を具体的に記入します。
この度、火災に遭われた方には大変なご災難とお察し申し上げます。 このページの情報が火災保険申請その他のお役に立てれば大変幸いに存じます。 なおこのページは神奈川県座間市の不動産り災申告書の書き方についてまとめました。様式は市区町村によって違うため、その他の地域のものは今後追加して参ります。
り災申告書には「不動産り災申告書」、「動産り災申告書」、「車両・船舶・航空機り災申告書」があります。火災調査時等にお渡しする他、所轄の消防署にありますので、指定された場所に期限内に提出しましょう。また、「り災証明」は、火災に遭われた方が各種届出をする際に必要となる証明書で、消防署において発行するものです。それに対して台風や津波、地震などの自然災害におけるり災証明書は市区町村の役所で発行されますので、それらの役所にお問い合わせください。
火災保険以外にも、り災証明書を用いて受けられる各種支援があります。 火災によってり災した不動産の固定資産税や、その家屋に住む人の国民健康保険料の支払いが、被害を受けた後一定期間は減額や免除されることがあります。震災による火災の被害を受けた場合には、厚生労働省が定めている災害援護資金の借り入れをすることが出来ます。例えば東日本大震災で被災した方のうち、条件に該当する人はこちらのような支援を受けることが出来ます。
また火災にあった場合に公共サービスへの届け出についてまとめます。
(1)電話
- 113番が電話故障の際の連絡先になります。
- 後日、り災証明と印鑑を持って、電話会社に届け出をします。
- 仮住所へ電話移設をしたいときは、その旨を依頼します。
- 電話が買い取りではなく、レンタルのときは修繕費を請求される場合があるので、その点も確認しておきましょう。
(2)電気
- 火災にあったことを電力会社へ連絡しましょう。
自分で消火した場合に、電気配線の修理が必要となった場合、電気工事業者を早急に手配してください。
(3)ガス
- 消防署に通報があった罹災については、通常、消防署がガス会社に連絡しているので、連絡不要の筈です。
- 通常ガス会社は、メーターボックスをはずすなど閉栓処置をしに来ます。
(4)水道
- り災現場の片づけが終わったら、水道局へ連絡し、給水停止の手続きを依頼します。
- 地域や窓口により、手続きが異なる場合がありますので、まずは水道局へ連絡してみましょう。